任意売却の同意のとり方
任意売却は、債権者の同意が必要になります。債務者が、住宅ローンを滞納して任意売却したいと申し出た場合には、ほとんどの場合債権者の同意がもらえます。その理由としては、債務者が返済不能となった場合、競売に出して売却されるより、一般市場での売買ができる任意売却の方が、高く売れて、その分債権回収額が高くなるからです。それでは任意売却を債権者に認めてもらうための同意はどのようにするのでしょうか。債務者が自分で行うことは可能ですが、知識も経験もない状態では通常では不可能ですので、債務者と専任媒介契約を結んだ任意売却専門の不動産会社が行うことになります。不動産会社では、任意売却を成立させるための債務者へのサポート、債権者への同意に向けた交渉、税金やマンションの共益費などの滞納があれば、税務者や市税事務所、マンション管理組合などへの交渉も行うことになります。特に、税金を滞納している場合には、任意売却の障害になりますので、この交渉は重要となります。同意を求める債権者としては、金融機関、住宅金融支援機構、保証会社、などがあり、債権者が1社のみの場合や複数の場合とがあり、任意売却を行うためには、すべての債権者に同意を取る必要があります。債権者が複数となる場合には、特に注意が必要となります。その理由としては、任意売却が成立した場合、2番目以降の債権者には債権が回収できないケースが多くあり、そのままでは同意を得られない場合があるからです。住宅金融支援機構が、2番目以降の債権者となっている場合には、抵当権の抹消手数料としての基準を設けて、それが認められる場合には、同意を認めることになっています。ちなみに、2番目の債権者の抵当権抹消手数料は、30万円または元金の残高の10%のいずれか低い金額となっています。住宅金融支援機構以外の2番目以降の債権者にも同様の抵当権抹消手数料、専門用語でハンコ代と呼ばれる金額によって同意がとられています。